Japan
Marsh Worldwide
Japanese | English
SEMIジャパン 事業継続マネジメントワークショップを開催
保険毎日新聞2005年10月7日付

半導体やFPD(フラットパネルディスプレイ)関連製造装置・材料産業をコアとする国際的な工業組織であるSEMIの日本拠点のSEMIジャパンは9月28日、東京都千代田区のSEMIジャパン大島ビル会議室で、第3回事業継続マネジメント(BCM)ワークショップを開催し、マーシュ・ブローカー・ジャパンを始め、業界トップ企業の専門家らが、地震リスク対策などについて講演した。当日は、半導体関連企業関係者など約100人が参加し、熱心に話に聞き入った。

ワークショップは第1部「危機管理(クライシス・マネジメント)」、第2部「地震リスク対策」、第3部「IT中断リスク対策」の3部構成で、6人の専門家が講師を務めた。

まず、今回のワークショップのコーディネーターで、SEMI日本地区BCM研究会委員でもあるマーシュジャパンのハイテックチームのアシスタント・バイス・プレジデント三木健一郎氏から、BCMはマニュアルづくりでないこと、またリスク・ファイナンスとのバランスによる効果が検証できる体制が重要であることを説明。

続いて第1部では、マーシュ・ブローカー・ジャパン社長の平賀暁氏が、「2001年9月11日米国同時多発テロ〜マーシュにおける数日間」と題して講演。テロで多大な人的・物的損害を被ったマーシュの具体的な対応事例を紹介しながら、企業の危機意識と事業継続プラン(BCP)策定の重要性を説明した。さらに、クロールインターナショナル・インクのマネージング・ディレクターのマイケル・B・オキーフ氏が、アジア地域の金融機関などの具体的な対応事例を取り上げながら、事業継続のポイントを解説した。

第2部では、応用アール・エム・エス社長の兼森孝氏が、「BCM構築と地震リスク分析」と題して講演。近い将来の大地震発生の可能性に言及するとともに、阪神淡路大震災を契機に地震防災の考え方が変わり、BCMを含む地震リスクマネジメントの考え方が重要になったと指摘した。その上で、地震リスクの分析方法やその分析結果の活用例などを説明し、地震に負けない企業を目指してほしいとした。

さらに、マーシュブローカージャパンのマーシュリスクコンサルティング部門に属するシニア・コンサルタントの小森園康輔氏と岩崎智哉氏が、「BCM構築のアプローチと地震リスク対策」と題して講演。BCM構築のゴールは、関係者間で罹(り)災後の行動要領のイメージを共有化することである、と強調した。そのために、大地震などによる罹災シナリオを想定し、人命、直接損失額、間接損失額など影響度を計量化した上で、その影響度を許容できる範囲まで軽減する施策を打つことが必要とした。例えば、許容できる範囲を、罹災後の操業停止許容期間に置き換え、その期間(目標復旧期間)内に操業開始するための、体制、役割、行動要領などを明確化し、時系列の復旧工程を検討する。あるいは、代替生産など応急的な代替手段も施策として検討しなければならない。これらの検討事項は、全体を俯瞰(ふかん)しながら個別の計画を有機的につなぐことが必要であるとした。

BCM構築のアプローチを整理すると、(1)BCM戦略計画(リスクの洗い出し〜計量化)(2)BCM実行計画(リスクを許容範囲まで軽減する—例えば目標復旧期間を達成させる—ための施策の検討、マニュアル化)(3)BCMシステム設計(運用管理方法)(4)BCMシステム導入という流れとなる。BCMは継続的活動であり、関係者間の「イメージ共有化」を確実にするために、トレーニングを通じて継続的に発展させていくためのマネジメントシステムの構築が重要なポイントである。また、その罹災後の対応だけでなく、防災設備や耐震補強などの「予防策」も効果的に機能しなければならない。BCMは、罹災後の対応計画と予防策の両者をマネジメントする仕組みであるという考え方を持つことが重要だ、とまとめた。

第3部では、情報セキュリティー対策を提供する(株)ラックの取締役執行役員SNS事業本部長である西本逸郎氏が、「IT中断リスク〜情報セキュリティーの観点から〜」と題して講演。重要な社会インフラとなったITによって、企業は新たに大きな事業リスクを抱えることになったと指摘するとともに、不正アクセスの最近の手口などを説明した。その上で、従来のセキュリティー対策はPL(損益)の損の部分で考慮する問題だったが、今後の発想にはBS(資産や会社価値)の維持・向上の観点が必要となるとした。
  Marsh & McLennan Companies